先日、おじさんが亡くなりました。
私の父親と同い年ですが、うちの父より10年若く見え、健康オタクで毎日運動を欠かさない人でした。
カズマの時もそうでしたが、
人生どうなるかなんて分かりません。
死なない人はいません。
今、目の前にいるその人はいつか100%別れる人です。
別れが来ないなんてことは決してありません。
それがいつかは分かりません。
いつか分からないのでずっと来ないと人は思いがちです。
毎日の今の生活が永遠に続く気がしています。
いざその時が来た時、いつまでも続くと思っていた人や家族は「そんなはずじゃなかった」と思います。
原因が交通事故でも心筋梗塞でもがんでも肺炎でも新型コロナウイルス感染症でも、度合いは違えど基本的に一緒だと思います。
「老衰」なら違うんじゃない?という意見も聞かれそうですが、老衰だとしても突然そのことを知ったら(例えば、田舎で一人暮らしの母が亡くなったなど)「そんなはずじゃなかった」「まだちゃんと親孝行してないのに」と思うのではないでしょうか。
「そんなはずじゃなかった」と思わなかったのなら、その人や家族が死を覚悟して生きていたからじゃないかと思います。
「老衰」だから良かったわけではなく、「死を考える時間があり、人生を見つめ直すことができ、納得行くまで接することができたから」ではないでしょうか。(カズマと自宅で過ごせた最期の10日間はその時間だったと思います。)
そこで、今すぐにでも家族で「最期の時」について話し合い、いつその時が来ても後悔しないように(できるだけ少なくなるように)準備したいと思いました。
父の誕生日会が先週末あり、そこで人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)を行いました。
治療はどこまで続けたいか、最期はどこで過ごしたいかなどを話し合いました。
前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)
ACPに関してはこちらの研修の記事が参考になるかと思いますのでご覧ください。
厚労省によると、「命の危険が迫った状態になると、約70%の人が医療やケアの内容を自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなる」とのことです。
そのため、元気なうちから人生会議を行うことを推奨しています。
人生会議(ACP)の内容
今回は治療をどこまで行うか、最期の療養場所について話しました。
話していく中でカズマの治療の経過についての話がでました。
両親は自宅に帰ってくると決まった時、「まだできる治療があるのでは」と諦められない気持ちのほうが強かったようです。
でも、最期を家族で自宅で過ごせたこと、辛い治療を最期までつづけさせなくて良かったことは良い体験として残っているようでした。
話し合った家族の意志をここでお伝えするのはなんとなく気が引けるので、私のことを少しお伝えすると、根治が見えない状態での蘇生措置(気管挿管、人工呼吸器、心臓マッサージ、昇圧剤など)は拒否、胃瘻は基本拒否(余命が数年単位で伸びても、意思の疎通が取れていても)、最期は自宅で過ごしたい(根治が見えなくなった段階で)といった感じです。
あくまでも現時点で、その時が来たときに考えが変わるかもしれませんし、その前に変わるかもしれません。
人の心は無常ですので、ACPは何度も行うのが良いようです。
この時ははじめからレコーダーを回すのを忘れてて途中から録音しました。
人の記憶は曖昧なので記録として録音すると良いかもしれません。
ACPについて話しただけで終わりじゃない
明日交通事故にあって意識不明になったとしても後悔しないためには、ACPについて話しただけでは足らないと思います。
明日お別れが来ても後悔しないように、できるだけ少なくなるように両親とも家族とも接していくしかありません。
毎日家族に接していく中で心がけること
親孝行のために旅行に行くとか特別なことをするより、まず毎日できることから。
・毎日愛と感謝の気持ちを言葉にする。
・毎日一緒に居られる幸せを言葉にする。
いままでもカズマと闘病生活を送る中で実践してきたことです。
今も続けてますが、妻とユリナにしかしていませんでした。
これからは両親にも伝えていきます。
毎日を精一杯生きる
また、未来にばかり比重を置くことも失ったときのショックを大きくすると思います。
未来を思い描いて生きていると病気や障がいを受けたときとてつもない喪失感にさいなまれます。
アドラーは人生をマラソンではなくダンスで例えました。「目的地を目指して走るのではなく、毎日を精一杯ダンスするように生きるといつの間にか素晴らしい景色が広がっている。目標などなくてもいい、今を真剣に生きる。」そう言っています。
ユリナについても、自分についても、先のことばかり考えて今のことを疎かにするのはやめようと思いました。
・将来の幸せのために今の幸せを捨てるのはやめる。
・将来の夢のために頑張るのではなく日々成長してる実感のために頑張る。そしてそれを喜ぶ。
カズマのことがあって、人生は長さじゃないと心の底から思いました。
人生をどう伸ばすかじゃなく、今をどう生きるか。
毎日寝るときに「今日も精一杯生きた」と納得できるように日々過ごしていきたいと思います。
今日のユリナ
カズマの写真をユリナと一緒に見ることがあるのですが、この間ユリナがぼそっと
「カズマに会いたいなー」とつぶやきました。
不意に訪れるユリナの言葉にカズマが居ない寂しさがこみ上げ、涙を堪えられません。
カズマが旅立ってもう5ヶ月。
この間に一度も夢にカズマが出てきたことがありません。
カズマのことを想わない日は一度もないですが、たったの一度も出てきません。
不思議でしょうがないです。
夢の中でもいいからぎゅーっと抱きしめて思う存分一緒に遊びたい。
カズマが夢に出てこないのは
パパ!いつまでもカズマのことばっかり考えないで、
パパの今すべきことに一生懸命になってね!
前を向いてがんばってね!
と応援してくれているからなのかな。
私にはすぐ近くでずっと応援してくれてるヒーローが付いています。
パパのヒーロー、ウルトラマンカズマ。ありがとう、大好きだよ。
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