余命宣告。ウルトラマン助けて。メイク・ア・ウィッシュの奇跡。①

闘病記録

2019.7.25~8.2 【思い出】

当時を思い出しながら記事を書きます。

今回の話の流れは
「医師との面談で根治困難と告げられる」→「医師より余命数日と宣告」→「祖父祖母叔母叔父いとこ達を呼ぶ」→「ウルトラマンに応援要請。ウルトラマンとティガが来てくれる」→「徐々に回復」→「ウルトラマンフェスティバルに参加!」
という奇跡の8日間のお話です。

長くなりそうですので2部編成にします。

Make A Wish(メイク・ア・ウィッシュ)について

メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンについて

本題に入る前にこの8日間の奇跡の立役者の一人、メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンについてご説明したいと思います。ホームページはこちら。

HOME | Make-A-Wish Japan

「メイク・ア・ウィッシュ」とは英語で「ねがいごとをする」という意味のボランティア団体です。3歳から18歳未満の難病と闘っている子どもたちの夢をかなえ、生きるちからや病気と闘う勇気を持ってもらいたいと願って設立されました。

メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン ホームページより

特定の疾患を有する子どもたちの夢を叶えるための団体です。
夢を叶えるために多方面に働きかけて実現に向けて尽力してくださいます。

主治医とも連絡を取り合い、治療の時期や体調面などを考慮して夢実現の日程や内容なども臨機応変に対応してくれます。
カズマのときもすごく臨機応変に対応してくださり助かりました。

同じ病棟の子どもたちも多くの子達がメイク・ア・ウィッシュにお世話になっていました。

メイク・ア・ウィッシュの担当者さんとの事前打ち合わせ

2019.7 メイク・ア・ウィッシュの担当者さん二人と面談を行いました。

応募の段階でカズマはウルトラマンが大好きで、ウルトラマンがらみの希望になることは伝えていました。
そういうこともあり、担当さんのお一方はウルトラマン好きなウルトラマンに詳しい女性でした。

メイク・ア・ウィッシュは本人の希望に忠実なので、本人との面談が重要とのことでしたが、カズマはその頃体調が悪く、機嫌も良くなかったため、カズマとの面談はできませんでした。せっかくプレゼントまで持ってきてくれたんですが・・・

2019.7.5 メイク・ア・ウィッシュの担当者さんがくれたプレゼント

面談は私達夫婦からの聴取で進めました。
やはりキーワードは「ウルトラマンと会える」でした。
ちょうど時期的にウルトラマンフェスティバルが開催されていて、そこに行きたがっていることは知っていました。
(実際にこの数日前に「カズマが行けないならパパ行ってきて。」と付き添い中にカズマを看護師さんにお願いして私一人でウルトラマンフェスティバルに行ってきて限定のお土産を幾つか買ってきたことがありました。)

そこで話し合いの結果、第一希望としては「ウルトラマンフェスティバルに参加して直接ウルトラヒーローと触れ合える」という内容になりました。

主治医とも話をしてもらい、時期としては8月初旬ということになりました。

7/25(木)~27(土) 主治医との面談

「根治は難しい・・・」

メイクアウィッシュとの面談の2週間後くらい経った2019.7.25 仕事中にビデオ通話で主治医との面談に参加しました。妻は直接の面談です。私はまだ介護休業を取っておらず、フレックスタイムで働いていて、金・土・日と付き添いしている頃でした。

「前回使用したクロファラビンの反応も良くありません。効いていないと判断して良いと思います。現在イノツズマブを使ってみていますが、効果の期待は少ないです。現状、根治は難しいという判断です。移植は現実的ではなく、苦しみに耐えられずに亡くなる事が大いに予想されます。」

訪問の仕事の合間のお昼休憩の時、スーパーのトイレの個室でビデオ通話にて検査結果を見せてもらいながら主治医よりそう言い渡されました。

これまで治験薬や新薬、従来型の薬など色々組み合わせて使用してきました。
もちろん効く確率の高いものから順に使っていて、この東京の病院にセカンドオピニオンに来た時はカズマのタイプの白血病ならボルテゾミブが7割ほどの確率で効くのではないかと言われていました。
しかし効かず、その後試したブリナツモマブ、クロファラビン、そしてこの時試したイノツズマブ(ベスポンサ)も効きませんでした。

この時はただ茫然としてしまい、この後は仕事にならず早退しました。

次の日 付き添いの交代で東京の病院へ

2019.7.26 私は付添いの交代で病院へ行きました。
病院につくと「屋上レストランで食事がしたい」とのことでお昼ご飯を食べに屋上に行きました。
メニューはいつも一緒「カツカレー&オレンジジュース」。
この時期は食べたいと言って屋上に来てもほとんど食べないことが多く、この時も数口食べておしまいでした。

2019.7.26 屋上レストランでいつものカツカレーとオレンジジュース

3人でお昼ご飯を食べた後、妻は群馬の優里南のもとへ戻りました。

腎臓に病変があるカズマはこの時尿がほとんど出ていない状態で、全身浮腫んでいました。
尿量をしっかり管理するためにも尿道カテーテルを入れる事になりました。
(尿道カテーテルは過去にも一度入れたことがあり、その時は従来型の抗がん剤(エンドキサン)を入れて腎臓が回復し、オシッコが出るようになり外れたのでした。)
尿道カテーテルを入れる事になったカズマは大泣きで大暴れし、私や看護師さんをグーで殴りまくりでした。結局、鎮静剤を使って眠らせてカテーテルを入れました。本人の拒否を薬で無理やりというのは本当に嫌なものですが、仕方がないと思い、ご褒美としてカズマの大好きなウルトラマンのソフビを買ってあげる事で自分の気持ちもなだめていたような状態です。

急遽面談 余命宣告「もう数日の命かもしれません」

主治医より声を掛けられ急遽面談になりました。
妻が帰った後だったので私一人で聞きました。

「おしっこがしばらく全く出ておらず、現状抗がん剤を入れることができません。尿が少しでも出ていないと抗がん剤は使えないのです。利尿剤を使っていますが反応がありません。別の利尿剤なども試しますが、効果が期待できるか分かりません。」

続けて主治医が言います。

このまま尿が出なければもう数日の命かもしれません。会わせたい人に会わせてあげてください。

利尿剤以外に他に方法はないのか、カズマが助かる方法はないのか、透析はできないのかと聞きますが、

「小児の透析はこの病院ではできないので転院が必要です。すぐ近くに小児の透析ができる病院があるのでそこへ転院すれば可能です。ですが、透析は今後の治療が見込めるならばできる方法で、数日数か月の延命の為だけに透析は行えないのが一般的です。昨日の面談でもお伝えした通り、根治は難しいです。利尿剤が効いて、尿が出て、エンドキサンを入れることができ、エンドキサンが効いてくれる事を祈るしか現段階ではお示しできません。」

面談後、妻へ電話し、面談の内容を伝えました。
涙を我慢できず、カズマを看護師さんに任せて病棟外のトイレで電話しました。
すでに夜になっていたので、翌日の土曜日に妻、優里南、じいじ、ばあば、いとこ達とその両親が病院に駆けつけることになりました。

メイクアウィッシュからの電話

その後、少ししてメイクアウィッシュから電話が来ました。
主治医から連絡を受けてカズマの状態を知ったとの事でした。
そして、以下のように提案がありました。

来週の水曜日に予定していたウルトラマンフェスティバルへの参加は中止して、病室へウルトラマンに訪問してもらうのはどうですか?

この時点でウルトラマンフェスティバルへの参加はかなり難しいと思っていたのでありがたい申し出でした。
ご提案の通りお願いしました。すぐに円谷プロさんへ連絡してくれて、日曜日にウルトラマンとウルトラマンティガが来てくれることになりました。
臨機応変に動いて下さり本当にありがたい限りでした。急な対応を受けてくれた円谷プロにもただただ感謝でした。

カズマにはこの事はとりあえず内緒にしておいて当日喜んでもらおうと思いました。

夜はカテーテルを入れる際に大暴れで疲れたのか、早めの就寝でしたが、顔の浮腫みから気道が狭くなり、首枕をしないと血中酸素が下がってしまう状態でした。気道確保していても低くなってしまう場合は酸素も使いました。
おしっこは結局出ませんでした。

2019.7.26 気道確保している状態

土曜日はみんなが来てくれました

2019.7.27 朝になって尿バックを見てみてもおしっこは出ていませんでした。

妻、優里南、じいじ、ばあばが到着し、お土産のおもちゃなどで少し笑顔が見れることもありましたが、体調が優れず薬の影響もあり気分の落ち込みはみられていました。

いとこ家族は到着が夜になりました。夜で利用者が居なかったこともあり、病院側がプレイルームを貸し切りにしてくれてみんなでプレイルームで遊びました。
久しぶりに会えたいとこ達に喜びましたが、元気はなく一緒に遊ぶことがあまりできませんでした。いとこ達もどう接したら良いか分からず、大人が促さないとカズマに接しようとしないような状態でした。
カズマも本当はみんなで一緒にワイワイ遊びたいのに、その元気が無くもどかしかったのだと思います。 そんなカズマを見ることが辛くて仕方ありませんでした。
また明日来ることを約束していとこ達やじいじやばあばがホテルへ帰って行きました。みんなを病棟の入り口で送りだしたカズマはさみしそうに泣いていました。

この日も尿が全く出ず、利尿剤を別のものに変えるなどしましたが反応しませんでした。
何度も何度もお腹を触りながら「お願いだからおしっこ出てください」と祈っていました。

次回予告 ウルトラマン登場!フェスティバルにも行けた!

次回はいよいよウルトラマン登場です。

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