2019.7.25~8.2 【思い出】
第3部完結編です。前回、前々回の記事はこちら。
前回はメイクアウィッシュにお願いをしてウルトラマンとウルトラマンティガがカズマを助けてくれ、その後徐々に体調が改善してきているところで終わりました。
今回は2019年8月2日、ウルトラマンフェスティバル第1部に参加できたことをお送りします。
ウルトラマンフェスティバルへ!
外泊許可出た!ウルトラマンフェスティバル事務局へ問い合わせ
「この調子ならウルトラマンフェスティバルや外泊にも行けそうだね。」
7月31日、8月1日とどんどん状態が良くなってきているカズマを見て主治医が言いました。
そして、このまま行けば2日金曜日から週末は自宅外泊して良いと許可をいただきました。
そこで、帰る日の2日は帰りがけにウルトラマンフェスティバルに行こうと企画し、早速ウルフェス事務局に電話しました。
はい、ウルトラマンフェスティバル事務局です
8月2日に行こうと思っているのですが、車椅子かベビーカーが必須で、酸素ボンベと点滴もつながっているのですが大丈夫でしょうか?
もちろん大丈夫です。受付で伝えてもらえればそのまま中に案内させていただきます。お名前を教えていただいてもよろしいですか?
アオキカズマです
他にショーの時間やフェスティバルの内容などを聴いて、行く時間などを話しました。
カズマにウルトラマンフェスティバルに行けることを伝えると大歓喜をしていました。
「やったー!!またウルトラマンたちに会えるかなー!!」
当日朝、体調に異変が・・・
いよいよ2日当日を迎えた朝。
テンションが低く、寒さを訴え、昨日の元気はどこへやら。
朝の回診後主治医より「今日の一時退院はやめておきましょう」と。
カズマはショックを受けるかと思ったら「うん、ウルトラマンフェスティバルはまた今度にする」と、体調の悪さを感じている様子でした。
午後に体調が戻ればウルトラマンフェスティバルは外出で行っても良いとのことでした。
すると徐々に体調が上向きになり午後には行けそうになってきました。
カズマに確認すると「行きたい!」と元気が出てきて主治医へ確認し行くことができました。
酸素ボンベ・PCAポンプの使い方やどんなことに注意するかなど看護師さんに指導していただき、感染リスクなど心配ながらも行くことにしました。
大喜びのカズマ!ウルフェス事務局の神対応!
カズマ、パパ、ママ、ユリナ、じいじの5人で池袋サンシャインシティへ向かいました。
服はもちろんウルトラマンタイガ(パジャマですが笑)です。
無事に駐車場に着くと入り口へ入ったところでウルフェスの大きなポスターが。
エレベーターに乗り込み、エレベーターから降りた瞬間、会場が見えると、
「セブンの歌と一緒に現れた!」
と満面の笑みのカズマ。
会場にかかっている音楽が変わるたびに「これは帰りマン(帰ってきたウルトラマン)の歌!」とか「これはレオだ!」とか音楽も楽しんでいました。
大きなウルトラマンの像もあったのでそこでも記念撮影。
そして大好きなウルトラマンのガシャポンを発見し、なんと歩きだすカズマ。
早速散財します。たしかここでは3000円ほど使いました。
行く前に話していたガシャポンの種類があったのです。コンプしたいという気持ちで回してましたがコンプならず。それでも嬉しそうでした。
その間にパパは受付で料金を払います。
ショーの受付でカズマの名前を伝えると「係を呼びますのでお待ち下さい」と。
ガシャポンのあたりで待っていると係の方が来てくれました。
「カズマくんですね。メイク・ア・ウィッシュで来てくれるということでしたが、来れなくなったと連絡が来て残念に思っていたところ、お父様からの電話で来られるようになったと聴いて本当に嬉しかったです!ぜひ楽しんでいってくださいね!」と。
そしていくつか会場についての説明をしてくれました。
ショーの時間の10分前になったら車椅子席への入口があるのでそこから入っていいとのこと。一番前で見られるということでカズマも嬉しそうでした。
とても素晴らしい対応に感動しました。
ショーの前に中のジオラマを楽しむことに。
大好きなウルトラマンや怪獣を目の前にカズマの気持ちは高ぶり、ここでもベビーカーから降りて歩き出しました。こんなに歩いて大丈夫なのかと心配になりましたが、ベビーカーになかなか乗らずジオラマに魅入っています。
怪獣との戦いの他に食いついていたのが歴代のウルトラマンたちの変身アイテムがずらりと並んでいたコーナー。
実際に撮影に使われたものでおもちゃとは違う重厚感があり魅入ってました。
「ガイアのエスプレンダーだ!!」
と、アイテムの名前やウルトラマンの名前を叫びながら。
途中でメイク・ア・ウィッシュの時にコーディネーターとして来てくれた円谷プロの方が「来てくれるの楽しみにしてました」と声をかけてくれました。
「あの時から徐々に回復できたのはウルトラマン達のおかげです」とお礼をしました。
話の中で「カズマくんは誰が一番好きなの?」とお話があり迷わず「ガイア!」と返事をしていました。
一通り見終えるとさすがに疲れたのかベビーカーに座って、ポップコーンを食べました。
ポップコーンを食べながら一息ついているとショーの時間が近づいてきました。
指定された場所で待っていると会場内に案内されました。
念願のショー!!ウルトラマンたちカッコいい!!!
一番前の席でワクワクしながら待っているとショーが始まりました。
始めからすごい迫力です!ウルトラマン達と怪獣たちとの戦闘です!
今回の主役ウルトラマンタイガや他のヒーロー達が戦っています。
カズマも一生懸命「がんばれー!がんばれー!」と応援しています。
少しするとウルトラマンとティガの二人が出てきて協力して怪獣と戦い始めました。
メイク・ア・ウィッシュで来てくれた組み合わせに喜ぶカズマ!
テンションマックスです!!
「マンさんだ!ティガも!がんばれー!がんばれー!」
その日一番大きな声で、会場で一番大きな声だったんじゃないかというくらい大きな声で応援していました。
その後も食い入るようにショーを見ていました。
ショーの最後、舞台からウルトラマンたちが降りてきて観客の間を歩いてハイタッチなどをしてくれながら帰っていくところでは、多くのウルトラマンがカズマのもとへ来てくれて、握手をしてくれたり、頭をなでてくれたり、カズマと触れ合ってくれました!
カズマはウルトラマンたちの名前をひとりひとり呼びながら嬉しそうに満面の笑みで握手などしていました。それはもう嬉しそうでした。
そしてなんと大大大大サプライズ!!!
ショーが終わって帰ろうとしていると、またメイク・ア・ウィッシュのときのコーディネーターさんがやってきて「ちょっと待ってて」と。
なんだろうとその場で待っていると、他の観客がほとんど会場を出たタイミングで11人のウルトラマンとブースカがカズマのもとにやってきました!!!
今回のウルフェスのテーマ「家族」を象徴するウルトラの父、ウルトラの母、タロウ、そしてタイガの家族、主題歌HANDSがカズマも大好きなウルトラマンルーブとロッソの二人、ウルトラマンが大好きになったきっかけのウルトラマンジード、「光の力、お借りします!」というセリフが大好きでよく変身ごっこしたウルトラマンオーブ、唯一ソフビを持ってないけどお友達からもらった人形でよく遊んでいたウルトラマンジョーニアス、ジードと一緒に好きになりその後シリーズのDVDも買うほど好きになったウルトラマンゼロ、そしてなにより一番大好きなウルトラマンガイア、11人ものヒーローに囲まれました。
カズマは驚きながらも動じず、嬉しそうにみんなと触れ合っていました。
ガイアが隣で必殺技のクァンタムストリームを教えてくれたり、逆にカズマが持ってきていたガイアのソフビ(ガイアV2とガイアV2の色を自分で塗り直してガイアV1に加工したもの)を見せて自慢したりしていました。
まさに、夢のような体験でした。
「こんなにたくさんのウルトラマンと触れ合えたのはカズマだけだよ!良かったね!」
ウルトラマンみんなからパワーをもらい、より元気を取り戻したように見えました。
私たち夫婦へもみんなハグをしてくれて、何も言葉はなくても応援してくれている気持ちが伝わりとても励まされました。
最後に、来てくれたウルトラヒーローたちに「ありがとう、いってらっしゃーい」を伝えてサプライズが終わりました。
お土産コーナー
「おもちゃは薬」
カズマにとっておもちゃは薬だと思って買っていました。
この時もカズマが欲しいものはほとんど際限なく買っていました。
ウルフェス限定おもちゃやまだもっていないフィギュアなど、大きな袋2つ分ほどパンパンにして帰りました。
買いすぎかなと思うこともありましたが、カズマの笑顔がそれだけ多く見られるのだから安いものと思っていました。また、これだけお世話になっている円谷プロさんとバンダイさん(ウルフェス主催者)にお金を支払うことができるのはむしろ光栄なことと感じ、感謝の気持ちしかありませんでした。
ウルフェスを大満足で終え、車に戻ろうとしていた時、受付近くで主催者ネームプレートを下げた方がいらっしゃったのでお礼を伝えました。
私「メイク・ア・ウィッシュで病室にウルトラマンとティガが来てくれてから奇跡の回復を遂げて今日念願だったウルフェスに来ることができました。今日も素晴らしいサプライズをしていただき、また元気になれそうです。本当にありがとうございました。」
主催者さん「喜んでもらえて何よりです。私たちはお子さまが元気になってくれて笑顔になってくれることが最大の幸せです。」
これからも円谷プロさん、バンダイさんを応援し続けようと心に誓いました。
おまけ)そして外泊へ! やっぱり自宅最高!!
ウルフェス後、病院に帰って次の日8月3日土曜日。血液検査の結果自宅外泊OKの許可が出て久しぶりに自宅へ帰ることができました。
1泊だけでしたが、やっぱり自宅が一番生き生きしてると感じました。
今度はいとこ達と大はしゃぎ!
1週間前の病院では久しぶりにいとこ達が来ても、一緒に遊ぶ元気がなかったカズマでしたが、この時は大はしゃぎ!
いとこ同士5人でワイワイガヤガヤキャッキャキャッキャ、お祭り騒ぎでした。
花火も楽しめて1週間前に余命数日と言われたとは全く思えない状態でした。
おまけ2)帰ってきて主治医との面談
8月5日主治医達と面談がありました。
主治医から
・カズマが再寛解に至る薬剤は見つかっておらず、今後も見つけることは困難
・寛解せずに移植するとカズマの場合生存率はほぼ0%。
・白血病細胞が増えてきたら抗がん剤(エンドキサン+α)を投与を繰り返していき本人が過ごしやすい体調を整えウルトラマンのイベントなど好きなことになるべく参加できるようにしていく
・続けていくと次第に抗がん剤が効かなくなってくる可能性が高い
・白血球が落ち込んでいる期間が長くなるので細菌や真菌などの感染リスクが高くそれにより命を落とすことも考えられる
・血球落ち込み具合で白血球増やす薬の使用や輸血を行う
私達から
・命を繋いでいく治療については了承するが、根治を諦められない
・再寛解せずに移植することは考えていない
・奇跡でも再寛解できる治療薬が見つかることを期待して群馬に帰らずこちらで治療を続けていくことを選択した
・医療の進歩にも期待したいから長く今の状態を維持してほしい
・ウルトラマンのイベントや海などカズマの好きなことをたくさん経験させてあげたい
面談後に夫婦で
「一馬は絶対治る」
「免疫力、治癒力を高めるためにも笑顔いっぱいになるように接していこう」
と決意しました。
この時の面談も辛い内容でしたが、7/27の面談の時のように心挫けずに耐えられました。
病棟のお友達のパパママからの言葉で励まされたことと、メイク・ア・ウィッシュ、ウルトラマンフェスティバル、自宅外泊でカズマが元気になったことで諦めない気持ちが鍛えられたのだと思います。
ウルトラマン達に勇気づけられたのは私たち夫婦でした。
この後
このウルトラマンフェスティバルのことをInstagramであげたところたくさんのコメントをいただきました(ショーの撮影可能のところは静止画のみ可能だったのに動画で撮ってしまい、そしてそれをSNSで上げてしまい、あとでそれが違反行為と知ったため今は削除してあります。教えてくださった方その節はありがとうございました。)。
そのコメントの中に、「大学卒業間近の息子がウルトラマンになりたいと話していて親としては反対していたが、こちらの投稿を呼んで子どもに夢を与える素晴らしい職業なのだなと思い直しました。」という内容のものがあり、大変嬉しく思ったことを覚えています。
この後、ウルフェスには3回行けて、公園や海など外出もたくさんできるようになりました。
そして最期の時を自宅で過ごせたのも、この時ウルトラマン達に助けてもらえたからです。
ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
カズマはこの時、メイク・ア・ウィッシュやウルフェスでウルトラマンたちから教えてもらったことを活かして、今は別の世界でウルトラマンカズマとして活躍していることでしょう。
ガンバレ!ウルトラマンカズマ!
涙無しには読めません
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