【闘病付き添い日記】自宅生活10日目。「もうダメだ…もうダメだ…」聴いていられませんでした。

日記(カズマとの日々の記録)

2019.10.9 日記 自宅に戻り今日で10日。

痛みがとにかく辛いようでした。

本日のカズマの様子

今日も昨日以上に寝て過ごしています。

たまに目を開けますが、天井の隅や窓の外を見つめてボーっとしています。まばたきもせずに。問いかけても反応したりしなかったり。そしてまた眠りにつきます。尿毒症もしくは脱水による意識障害でしょうか。フェンタニルの影響もあるし、全て混ざっている状態でしょう。

また、認知機能の低下がみられてきました。これも尿毒症等の影響でしょうか。
「何か飲みたい」ということを訴えますが、それが何か言葉が出てきません。会話が成り立たないところもみられました。
パパとママに何か言おうとして言葉が出ずに沈黙してしまい寝てしまうところもありました。

お熱は出ていないようでした。呼吸数、脈ともに正常です。

尿は4日出ていません。便も3日出ていません。

飲みたいものを指せるように用意しましたが飲みませんでした

痛みの訴えがとても強くなりました そして嘔吐

昨晩もたびたび痛みの訴えがありました。痛む個所は胸部~腹部の間。大体はマッサージをすれば収まりましたが、それでも強い場合、フェンタニルの流量を1から2に上げたり、レスキューを押したりして対応していました。

朝6時、突然「痛いんだよー!!!」と大声で叫びました。マッサージやレスキューを押して収まりますが、10分後に同じように「痛いんだよー!!!」と叫びます。これを繰り返し1時間半。徐々に「痛いんだよー!!!」から「ああ、もうダメだ…もうダメだ…」と。フェンタニルの流量を3に上げ、毎回レスキューを押してましたが、治まっても10分。
4歳の子が発する「もうダメだ…」は聴いているのが辛すぎました。

そして、「吐いちゃいそう」と起き上がります。ビニール袋を口元へ持っていくと、げっぷだけがこみ上げてきて、「何も食べてないから出ても4時頃飲んだオレンジジュースかな」と思っていたらカップ1杯分のコーヒー状の液体を吐きました。

緊急コールで看護師さんに電話し、今の状態をお話ししました。

私

痛みの状態が強く、流量を3に上げてレスキューも押しています。そしたら、コーヒーのような色の液体を吐きました。これはなんでしょうか。

何か食べられましたか?

私

いいえ、4時ごろにオレンジジュースを飲んだだけです。昨日は何も食べられませんでした。

そうすると、胆汁の可能性があります。または胃に出血がある可能性もあります。
今は吐いて落ち着いていますか?

私

吐いたら落ち着きました。目を開けていますが辛そうにはしていません。痛みの訴えもありません。

そうしたら様子見で大丈夫だと思います。今日は10時半ごろに伺いますのでその時診させてください。

私

わかりました。お願いします。

看護師さんの訪問までの間もたびたび痛みを訴えそのたびに「もうダメだ…もうダメだ…」と辛そうに言っていました。

看護師さんが吐物を確認し、バイタルの確認、腸蠕動音の確認などしてくださいました。

腸蠕動音がほとんどしません。もしかするとイレウス(腸閉塞)が起こっていて口から食べたり飲んだりしたものが入っていかないのかもしれません。朝の嘔吐ももしかしたらそれが原因かもしれませんね。吐物を見ても胃に出血がある可能性は高そうですね。胸の痣も内出血の様ですし、体中で内出血を起こしていてもおかしくないですね。
何か食べたり飲んだりできましたか?

私

いえ、何も食べたり飲んだりできていません。

そうですか。でも閉塞してる可能性もあるので仕方がないことです。そこで無理に飲ませようとしないであげることが大切です。飲めなければ飲まなくていいんだよって伝えてあげることでカズマ君も安心できます。もちろん、お父さんお母さんなら分かってくださってると思いますけどね。

私

・・・はい。

足つぼの先生からお願いされているお湯を飲んでほしいと最近伝えてしまっていました。特に昨日、今日は起きるたびに必ず言っていました。

私

痛みが強く、苦しそうです。もうダメだ…もうダメだ…と訴えています。見てられません。胸から腹部までを痛がっています。

これからフェンタニルの濃度を上げます。
それでもコントロールできそうになければまた先生に薬の相談をしてまた夕方来ますね。

濃度を上げても痛みの訴えあまり変わらず、たびたび痛がりながら「もうダメだ…もうダメだ…」を繰り返していました。看護師さんに相談し夕方また来てもらいました。

フェンタニルの濃度を上げます。お父さんは眠ってもらう薬を使うのは嫌ですか?

私

使ってないですね。腎代謝というのも怖いですが、少しでも起きてもらたい気持ちもあって。

これだけ痛いが強くてもですか?腎臓の負担が怖いと言っても腎不全状態なのは変わらず、これから腎臓が良くなるということも考えづらいですが・・・痛みを感じないようにしてあげる方が良いように感じますがどうですか?

私

そうですよね・・・なるべく眠ってもらいましょうか。

それがご本人のためかと思います。ではドルミカムを常時0.5で流しますね。

それからもうカズマが起きることはありませんでした。「もうダメだ…もうダメだ…」はなくなりました。

寝ていることが多いので他の五感に訴えました

2019.10.10 いただいたプレゼントの絵本

目を開けないけど感じていると信じて、色々してみました。少しでも痛みが緩和されそうなものを選びました。

  • ウルトラマンの歌を流す 痛みを緩和するというオルゴールバージョン
  • アロママッサージ エッセンシャルオイルは痛みに良いとされるラベンダー
  • アロマテラピー エッセンシャルオイル同上

聞こえていると信じて絵本の読み聞かせもしました。今日頂いた絵本を使って行いました。

運動会のお話しでしたが、ついこの間のユリナの運動会や去年のカズマの運動会を思い出し、つい感情が高ぶり声が上ずってしまい読んでいられませんでした。

「足つぼ」について夫婦で話し合いました

今日も夜に先生の訪問の予定でしたので、今日の訪問はどうするかを話し合いました。

昨日の施術中、カズマは「もうやめて」と言いました。一昨日までは先生が来る前に「今日も足つぼの先生が来てカズマの体を良くしてくれるけどできる?」と聴くと「うん」と拒否はありませんでした。でも昨日は寝ていて事前確認ができませんでした。そして、始まると拒否がありました。

昨日カズマがもうやめてと足を引っ込めたとき、「今我慢すれば後で痛みが楽になる、体が良くなる、もしかしたらおしっこが出る、もっと長く生きられる」という希望を持って「カズマが嫌がったらやめる。カズマが望むことを100%支える」という信念を破って足を強引に伸ばしました。一昨日先生が涙を滲ませながら話したことを信じて。(詳しくは一昨日の記事昨日の記事を参照)

でも、昨日の施術後は覚醒はしたものの、痛みによる覚醒だったようですぐに寝てしまいましたし、食欲もあがっておらず、体が楽になった感じも見られませんでした。今までの反応とは違いました。

今日も寝ているため事前確認ができないまま足つぼが始まることが予想されました。

私の意見は「今日のカズマを見ているともうかなり難しい状態だと思う。明らかに状態は悪くなっている。今までは足つぼでその後良くなっているところも見られ、足つぼの効果を実感してきたが、明らかに昨日は反応が違った。足つぼによって痛みが抑えられているとしても足つぼしているときの痛みの方が辛そうに見える。それでもおしっこが出たり身体が良い方向に向かうならお願いしたいけど、病院でやっていたようにただカズマのことを苦しめる延命ならカズマの好きなことをしに自宅に帰ってきた意図とずれる。足つぼ中だけでなくお湯を飲むように促したりもカズマにとっては負担。だから今日先生が来たら始める前にカズマの体がまだ良くなるのかはっきり聴いてみたい。」

妻の意見は「ここまで自宅で生活ができたのは足つぼのおかげだと思っている。足つぼの効果をカズマも実感していた。足つぼというものを知らなければやらずにカズマの好きなことだけをしてきたけど、足つぼを知ってしまった今としてはその効果を得たいと思ってしまう。昨日は確かに相当痛がっていたけどそれはツボに入るようになって効果が出やすくなったためと先生が言っていた。拒否した後も痛がるところはあったが自分で足を伸ばして最後までできたから、心底嫌がっているわけではなさそう。確かに延命ではあるかもしれないが、自宅で一緒に生活できる期間が長くなるのなら、痛みなどの状態が良くなるならやってもらいたい。始まる前に先生に聴いてみることは賛成。」

足つぼの効果は私も実感していますし、がんに対する東洋医学の可能性というものを感じたのも事実です。もっと早くからやっていたら良かったなと思っています。
でも、今日のカズマを見たら「もう楽にしてあげたい」という気持ちが強かったです。

夜に主治医が見に来てくれることになり、主治医の往診が終わってから足つぼの先生に来てもらうことになりました。

呼びかけに反応がなくなり、徐々に呼吸がゆっくりに。

温タオルで清拭をしてからアロママッサージをしました。いつもは服を脱がせようとすると嫌がる動きが見られるのに嫌がりません。

口の中も歯磨きシートできれいにしようとしても全く嫌がらずだらんと力が抜けています。

呼びかけても全く反応なくゆっくり呼吸しています。

お着換えも全部済ませた後、ユリナが「ユリナもカズマキレイキレイするー」と。
手をやってもらいました。

2019.10.10 カズマの手をキレイにしてくれているユリナ

徐々に喉で引っかかるようないびきが強くなりました。そしてゼロゼロと痰が絡まったような音がしてきました。

ちょうど先生の往診の時間になりました。

 

ここからは次の記事にしたいと思います。

次回、カズマの旅立ちです。

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