カズマが急性リンパ性白血病(ALL)を発症したのは2018.10下旬でした。
まさか白血病とは思いませんでした。
「小児白血病」と検索すると結構上の方に「初期症状」と候補が出てくるところを見ると、お父さんお母さんはお子さんが急に鼻血をだしたり、あざになりやすかったりすると不安になって調べるんじゃないかなと思いました。
カズマの場合の初期症状と受診後の流れなどを体験談としてお伝えできればと思っています。
急性リンパ性白血病(ALL)ってどんな病気?症状は?
「100,000人に3人」小児がんの中では一番多く、昔は死に至る病でしたが、治療法の目覚ましい進歩により8-9割の患者さんが治る病気になったとのことです。
ALLとはどんな病気か、最初に入院した病院の待合室にあったパンフレットがわかりやすかったので引用しますと、
ALLは血液のがんの一種です。血液細胞のうち、リンパ球になる途中の未成熟な細胞ががん化して急激に増殖する病気です。正常な血液細胞が作られなくなるため、貧血、発熱、出血傾向などの症状が出ます。
NPO法人キャンサーネットジャパン パンフレットより
とのことです。
正常な血液の細胞の白血球・赤血球・血小板が減ってしまうことで、以下のような症状が見られます。
そのほかにも、白血病細胞が骨髄の中で増えることにより「骨が痛くなる」こと、リンパ節や肝臓・脾臓に白血病細胞がたまることによって「首や足の付け根などにしこりができる」こともあるようです。
発症”初期”に多い症状は?
基本的に上で挙げた症状が見られるわけですが、初期は体のだるさや風邪などと混同しやすく、気づきにくいため発症から時間が経過することが多いようです。症状だけで判断することは難しいとされています。
それでも次にあげるようなことが続くようだったら疑わしいようです。
ちなみに、急性骨髄性白血病も同様の症状がでるようですが、骨髄性の方が症状が出やすくて分かりやすいと言われています。
カズマの場合の初期症状&受診後の流れ
カズマは2018.10月中旬から下旬にかけて体調が悪くなりました。軽い発熱とだるさを訴えていましたが、いつも通り元気に遊んでいることも多く全く心配していませんでした。
10月28日の農業祭に参加したときにいつもより「だっこだっこ」が多くなり、お祭り大好きな割に「不機嫌」になっていたことを覚えています。まだあまり気に留めていませんでした。
その翌日の保育園で保育士さんから「すこし左足を引きずって歩いてます」と話がありました。仕事を終えて帰ってみると左足首を押さえて痛がっていました。
すぐに整形外科を受診しました。それまでの経過をあまり気に留めていなかったのでケガだと思っていました。受診して画像診断してみても特に異常はなく、軽い捻挫ということで様子見になりました。
しかし、次の日には右手中指も痛みを訴え、足の痛みの訴えもより強くなりました。左足は腫れてきていました。ずっと押さえてあげないと痛くて泣き止まない状態です。これはおかしいと思いました。足だけじゃなく指もいたいということはリウマチとか膠原病とかの全身性の病気じゃないかと思いそれを口にしたら嫁から「怖いこと言わないでよ」と。まだ何もわからないのに不安を煽るようなことをいうのは良くないですね。反省しました。ですがこの予感が当たってしまいます。
次の日また同じ整形外科に受診し足の痛みが強まってきていること、他にも指を痛がっていることを伝えました。指の方を画像診断するとわずかですが骨折と診断されました。「え?手と足は別物なの?」と思いましたが、足の痛みが強くなっていることもあるし血液検査してみようということになりました。結果が出て、医師より「CRP(炎症を現す数値)と白血球数が高くなっています。足関節炎か骨髄炎の可能性がありますが、ごめんなさい、よくわかりません」と。「良くわからないので小児医療センターに紹介状を書きますので行ってください。」と。その時は焦りましたが、また様子見にされるよりは良かったと思いました。
小児医療センターに受診すると、入院してくださいと。診断は「左足骨髄炎などの感染症疑い」で抗菌薬投与が始まりました。
入院後の経過、急性リンパ性白血病の診断まで
11月6日、医師との話し合い。「抗菌薬によって炎症反応が低下し、痛みも少し良くなったが、夜間の発熱は持続して見られ、足で歩くことは難しい状態。血液培養という血液中の細菌を捉える検査では細菌認められず。MRI撮影を実施したところ、多数の骨の中に異常信号があり、感染ではなく全身性の病気の可能性あり。そのため骨髄検査を実施します。」と。この時は「うそでしょ、やめてくれやめてくれ」状態でした。
翌日11月7日、骨髄検査し、直後に医師と面談。「ここまでの経過を見ると白血病の可能性が高いため骨髄検査を行った。骨髄を中央診断に送ったので結果が出るまで数日かかる。フローサイトメトリーという検査を提出しており、その結果で白血病の型が確定するが、年齢や経過からB細胞性急性リンパ性白血病の可能性を最も疑っている。そのタイプの白血病は8割から9割の患者さんが元気に治る。確立されたプロトコルがあるのでそれに沿って化学療法(抗がん剤治療)を進めていく。抗がん剤投与の他に髄注という脳や脊髄の周りの髄液に直接抗がん剤を入れる治療もする(白血病細胞が潜みやすいため)。明日から1週間ステロイドの投与を開始(先行治療)。その後本格的な抗がん剤治療開始。」と。ここで白血病だったのかと知りました。嫁は泣きながら聞いていました。私はただ何かの間違いであれと願っていました。
その後医師から詳しい治療計画について話があり、1年間の入院治療と1年半の外来治療が必要になると話がありました。中心静脈カテーテル(CVカテーテル)も入れて治療が開始しました。やっぱり骨折じゃなかったということでやっと右手のギプスも取れました。骨折ってなんだったんだ・・・
11月12日 中央診断の結果がでて「B細胞性急性リンパ性白血病」と診断が出ました。さらにキメラ遺伝子スクリーニングという検査で「E2A-PBX1」という融合遺伝子が検出されました。これが発症の原因だろうと。この時はこの重大性を甘く捉えていましたが、これが相当やっかいものでした。この時点の説明では良くみられるもので治りやすい部類のもの、予後不良因子ではないとの説明でした(が、再発すると予後不良になるという側面がありました)。またこの時から腎臓に病変が見られていて、これも予後不良因子ではないとの説明でした。
急性リンパ性白血病の初期症状 まとめ
長くなってしまいましたが、以上急性リンパ性白血病ALLとは、症状と初期に起こりやすい症状のまとめ&体験記(カズマの場合)でした。
カズマの場合足の痛みが主だったので整形外科に行ってしまいましたが、そこの先生が正直に良くわからないからと紹介状を書いてくれてよかったです。骨折の診断は良くわかりませんでしたが・・・
カズマは比較的発見が早いと言われました。初発時の治療は良く聴いてくれて寛解もすぐにできました。先生との面談もいい話しか聞かなかった印象です。(その後の再発後の面談は心臓をつぶされそうな面談でしたが。)
早期から治療を開始した方が症状も少なく効果も高いと言われていますが、お伝えしたように早期に症状から判断することは困難です。もし後でお子さんが白血病と診断されたとしても「もっと早く見つけてあげられていれば・・・」とご自身を責めないでください。くれぐれも。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
コメント